年に6000万円以上稼いでいる方に、「お金を稼ぐためにはどうすればいいのか?」と尋ねてみた話
過去、ベンチャー企業にインターンシップをしていて、その会社の社長と話をする機会が何度かあった。
大学生という立場で仕事をしていると、そういったベンチャー系の社長さんは結構、親身になって勉強になる話を聴かせてくれたりする。
色々なタイプの社長がいるが、皆総じて個性が強い。そして持っているバックグラウンドも異色だった。
その中でも、特に面白いと感じた人の話があるので紹介したい。
その人は、「大学卒業後、証券会社に勤め、個人投資家になり年に6000万円以上稼ぎ、その後会社を設立した。」というとんでもない背景を持つ人だった。
お金を沢山稼ぐためにはどうすればいいのか?
たまたま、その社長さんとお話をする機会があったので、僕はここぞとばかりに聞きたかったことを聞いてみた。
「社長、沢山お金を稼げるようにはこれから何を勉強すればいいんでしょうか?」
社長はしばらく考え込む。我ながら抽象的でバカな質問をしたな、と後悔していると、社長はこう答えてくれた。
「○○君、お金を稼ぐのに必要な能力は三つ。思考能力・情報収集能力・営業能力だよ。」
「既にある事象・物事を分解して考え、そのために必要とされる情報を収集し、それを元にお金を稼ぐ手法を構築する。そしたら、あとは営業をしてそれを価値あるものに変えるんだ。」
社長は続けて以下のように述べる。
「例えば、君が新しい事業を作りたいとする。そのために何が必要か今の話でわかるか?」
「既にある事業がなぜうまくいっているのか、分解して考える…ということでしょうか?」
「そう。だけど、なぜうまくいっているか分析するためには情報がいる。でもその情報は、本当に価値あるものだから簡単には手に入らない。だから、情報収集能力に長けていないといけない。」
「それは…インターネット上ではなかなか得られませんよね。」
「うん。ネット上の情報なんて8割が価値の薄いものだよ。本当に価値ある情報を手に入れるためには、営業力(コミュニケーション能力)がないといけない。営業力は、自分の商品を売るときも必要だからお金を稼ぎたいならマストだね。」
社長は、今まで自分がどうやってお金を稼いできたかも具体的に教えてくれた。
表面的な小手先のテクニックではなく、”自分が何を考えてお金を稼ぐ手段導き出したか”という根本部分まで説明してくれたので、それを僕なりにまとめた見た。
必要なものは既にある事象を分解・分析して考える思考能力
起業、株、FX、ブログ、メディア運営、Webデザイナー、フリーランスカメラマンetc。
お金を稼ぎたいと思って、ネットで調べたらこれらの手段がヒットする。
まだまだあるだろうが、どの手段を選択するにしてもまずは"既にある上手くいっている手法”を分解して、分析して、何故上手くっているのか知る必要がある。
上手くいっている事例をできる限り多く集め、その中で共通点を探し、手法を体系化するのだ。これを帰納的思考という。
帰納的思考は多くの観察事項(事実)から類似点をまとめ上げることで、結論を引き出すという論法だ。
その社長曰く、物事を考える際にはこの思考方法が必須だという。
だが、ほとんどの人が、普段の生活で演繹的思考をよく使う。
「演繹法」は,既に存在するルール(大前提)から結論を導き出す思考の経路。
すごく簡単に言うと、与えられた枠組みの中で考えること。
大学受験などの勉強では、この演繹法によって思考することがほとんどだろう。
勿論、どちらの思考方法も大事なのだが、あまりにも演繹的に考えてしまい、枠組みがなければ考えることができない。という人の割合が多いように感じる。
特に、お金を稼ぐ手段を考えるときは、既存の事実から理論を打ち立てて、未来を推測する帰納的思考が必須となる。
これができるようになると、お金を稼ぐ手段だけでなく、あらゆる場面でクリエイティビティを発揮しやすくなる。
社内のプロジェクトの企画、ゼミやサークルのプレゼンテーションやレポート、はたまたデートプランの設計まですべての質が上がってくるだろう。
情報収集能力がなければそもそも分析できない
思考方法は分かった。だが、分析を行って共通点を割り出し、理論を立てるためにはまず情報が必要だ。
それもリアリティがあり、信頼性が高く、価値のある情報が必要になる。つまり、”生きた情報”を獲得しなければならない。
それらを得るには結構な労力と時間がかかる。
なぜならば、それらはネット上に転がっているわけでもなく、お金を払えば必ずしも得られるものでもないからだ。
例えば、ある人がWebデザイナーで生計を立てたいと思っているとする。
彼は、優秀なWebデザイナーになるために、30万を支払ってWebデザインスクールに通うことにした。
そこで彼はWebデザイナーになるための様々な技術を教えてもらえ、無事卒業した。
だが、これで彼は優秀なバリバリ稼げるWebデザイナーになるだろうか?
そんなわけはない。
お金を支払って得られる情報など、言ってしまえば金さえ払えばだれでも手に入る程度の価値しかない。
彼が”生きた情報”を得るためには、職場で人間関係を構築し、コミュニケーションを取って、優秀な先輩達から教えてもらう必要がある。(他にも方法はあるだろうがどれを選んでも労力は結構かかる。)
生きた情報を得るためには
ハンターハンターの”ジン”というキャラクターを知っているだろうか?
彼は、仲間とともにある王の墓の遺跡を調査することが夢だった。
そのために同じ志を持った仲間を集め、ついに王墓の真実を見つけ出す。
だが、「王墓の真実が分かったことよりも、その仲間とつながれたことこそが大切で価値のあるものだった。」とジンが語るシーンだ。
彼は、この仲間たちから今でも、仕事(ハンター)に必要な”生きた”情報を得ているのだ。
何らかの事業や投資などを通じてお金を稼ぎたいと思ったら、このような”人からの生きた情報”が必要不可欠だ。
もし、メディアサイトを運営してお金を儲けたいと考えたら、メディア運営をしている会社に勤めてノウハウを学ぶ必要があるし、個人投資家になって儲けたいと考えたら証券会社に勤めて学びを得るのが近道だろう。
そこで人間関係を構築できれば、一時的な学びだけでなく、”生きた情報”をくれる仲間を作ることができる。
ネット上で価値ある情報を見つけるためには
ネット上で価値のある情報を見つけたければ、説得力のある”体験・経験”を元にした話を参考にするといい。
僕がいつもビジネス関係で参考にしているのは、Books&Appsというメディアサイト。
すべての記事がライター自身の経験をもとに、説得力のある論で展開されており、読んでいて納得できるものになっている。
ビジネス系の話が多いので、マネジメントの方法や仕事でも失敗談など、見ておくと勉強になる。
トリップアドバイザーなどもいい。あのサイトは、レストランやホテルなどの評価を完全に個人のレビュ―に基づいて算出している。
しかもその母数が”全世界”と非常に多いため、信頼できるサイトになっている。
反対に、食べログなどは会社側に不利な評価は付けさせない仕様のため、品質が必ずしも保証されないことが多い。
このあたりの情報の見極め能力は、いわゆる”ネットリテラシー”があるかどうかで決まると言われているが、それだけではない。
本当に必要なのは、”書き手側がどのような意図を持ってこの情報を書いているのか”想像することだ。
例えば、「株で儲ける裏ワザ」とかいう記事がなぜ書かれているのかといえば、そういったジャンルの話は非常に受けがよく、検索流入数も高いからだ。
PV数を稼げて、ひいてはそれでお金が入るから当たり障りのないことを書いて記事にしている。
向こう側の意図を分析して、自分が納得できるような理由なら信用できる。と、僕は判断している。
営業能力は自分が作ったものに価値を持たせる行為
それが、サービスであれ、商品であれ、ブログであれども、自分が作りだした活動に価値を持たせるためには営業活動が必要となる。
ここで言う営業とは、クライアントを訪問し、巧みなビジネストークを繰り広げる、という事にに限った話ではない。
プロモーション、流通経路の確保、webマーケティングなど、手段は様々であるが、重要なのは”人にうったえかけて、自分、もしくは自分が作ったものの価値を認めてもらうこと”だ。
例えば、ブログでは、単純に記事を書けば人が増えるというわけではない。
中身は勿論のこと、keywordplannerを使ったキーワード抽出、タイトルのキャッチコピー、デザインの設定、ブロガー同士のコミュニティ形成など、PV数を増やすための仕掛けはいくつも用意する必要がある。
株の話でいえば、IPOの抽選権を得るために、コネクションのある会社へ電話をかけて交渉するなんてことも営業活動に入る。
営業なくして、お金を稼ぐことは非常に難しい。
おわりに
僕がこの記事を書けたのも、その社長から生きた情報をもらえたからだ。
人のつながりがあるかないか、生きた情報を獲得できるか否かで人生は大きく変わってくる。
最近は働き方改革とか、ワークライフバランスとか、働き方について取り沙汰されることが多くなってきて、多様な働き方が許されるようになってきた。
以前は、大手企業に勤めれば勝ちだ!と、ある意味でゴールが見えていたので、そこを目指せばよかった。
だが、働き方が多様化してきた中で沢山稼ぎたいと思ったら、今回取り上げた「思考能力・情報収集能力・営業能力」が必須になるだろう。